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糖尿病情報館 > 1型糖尿病

1型糖尿病の特徴

1型糖尿病の特徴は、15歳以下の若年者が好発年齢で、発病に男女差はなく、比較的急激に発病することです。1型糖尿病の前兆(急に喉の渇き・ひどい疲れ・頻尿・やせなどの体調不良)の後に発病します。1型糖尿病の発症率は糖尿病全体の5%以下です。
1型糖尿病とは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が破壊されてインスリンが分泌されないため、生命維持にインスリン治療が欠かせない糖尿病です。インスリン依存型糖尿病(IDDM)と呼ばれた糖尿病とほぼ重なりますが、インスリン依存型糖尿病(IDDM)は病態(必要とされる血糖コントロールの状態)による分類であって、病型(発症原因)による分類ではないことが根本的に異なる点です。また1型糖尿病は小児から若年者に発症する傾向が高いのですが中年以降でも発症します。

1型糖尿病の原因

1型糖尿病の原因は、遺伝的要因と環境的要因とされています。1型糖尿病の遺伝は優性遺伝もしくは多因性遺伝と考えられていますが、1型糖尿病の多くにおいて特定の遺伝子異常は証明されていません。また1型糖尿病は環境因子が引き金になって発症するとされていますが、発症メカニズムははっきり分かっていません。1型糖尿病は原因不明の突然発症する糖尿病のように受け取られていますが、1型糖尿病患者の兄弟姉妹など近親者の血液を調べると、1型糖尿病に関わる自己抗体の存在が認められます。1型糖尿病に関わる自己抗体が存在するからといって必ず発症するとは限らないのです。発症する人もいれば発症しない人もいます。

※自己抗体とは、自己に向けられた抗体です。本来なら体外から侵入した原虫・バクテリア・ウイルスなどの異物を攻撃する免疫のタンパク質(抗体)が変異して、自己の細胞や組織を外敵と勘違いして、攻撃して破壊していきます。

1型糖尿病の種類

インスリンを分泌するベータ細胞(β細胞)が壊れてしまう1型糖尿病の種類には、自己免疫性と非自己免疫性の糖尿病があります。非自己免疫性糖尿病は、さらに、非自己免疫性劇症型と非自己免疫性慢性型(非劇症型)に分類されます。自己免疫性の1型糖尿病とは、自己免疫によって膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞が破壊される糖尿病のことです。自己免疫性の1型糖尿病においては、糖尿病を発症する2~3年前から1型糖尿病に関与する自己抗体が認められ、自己免疫減少によりベータ細胞の破壊が徐々に進行します。非自己免疫性の糖尿病である非自己免疫性劇症型と非自己免疫性慢性型(非劇症型)の1型糖尿病とは、自己抗体が認められず、自己免疫以外の何らかの原因でベータ細胞が破壊される糖尿病のことです。非自己免疫性劇症型の1型糖尿病においては、急激なベータ細胞の破壊がおきている考えられています。

1型糖尿病の症状

1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が破壊されてインスリンが絶対的に欠乏する糖尿病です。1型糖尿病を発症し糖コントロールが悪い状態が続くと、糖尿病特有の合併症がでてきます。1型糖尿病はインスリンの欠乏によって高血糖状態になり、多尿、口渇、多飲、体重減少などの一連の症状の発現にはじまり、インスリン欠乏による高度の代謝異常により糖尿病性昏睡が起こることもあります。糖尿病性ケトアシドーシスは主に1型糖尿病に起こります。インスリンが欠乏した状態では、グルコース(ブドウ糖)の代わりに脂肪代謝が亢進してケトン体が作られます。ケトン体が血液中に蓄積されて体液のpHが酸性に傾いた状態のケトアシドーシス(ケトン症)となり、悪心、嘔吐、腹痛などの胃腸症状などの症状が現われ、脱水が加わると意識障害(ケトアシドーシス昏睡)を引き起こします。
1型糖尿病は、最終的にランゲルハンス島の機能が停止して、生存のためにインスリンを体外から補充することがが必須のインスリン依存型の糖尿病に移行します。1型糖尿病には劇症型や徐々に進行する緩徐進行型などがあります。
■1型糖尿病の発症タイプ:劇症1型糖尿病
数日間~数週間で膵臓のベータ細胞が破壊されて、糖尿病を発症します。
■1型糖尿病の発症タイプ:急性発症1型糖尿病
数ヶ月~数年で膵臓のベータ細胞が破壊され、糖尿病を発症します。
■1型糖尿病の発症タイプ:緩徐進行型1型糖尿病(SPIDDM)
数年~数十年で膵臓のベータ細胞が破壊され、糖尿病を発症します。長年にかけて進行するため、2型糖尿病として治療を受けていることがあります。

1型糖尿病の検査と診断

糖尿病の検査としては、一般的な血液生化学検査、尿中ケトン体、胸部X線検査などのほかに、血糖、尿糖、HbA1cなど糖尿病の診断に欠かせない検査がありますが、1型糖尿病の診断基準としては抗GAD抗体が陽性であることが条件です。自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊されると、インスリン分泌は極めて短期間で殆ど0か完全に0になりますが、自己免疫疾患であっても徐々に症状が悪化していくケースもあります。
■1型糖尿病と判定する検査:血液中インスリンの検査
殆ど0ならば、1型糖尿病と判定されます。
■1型糖尿病と判定する検査:尿中C-ペプチド(CPR)の検査
殆ど0ならば、1型と判定されます。C-ペプチド(CPR)は体内でインスリンが作られるときに生じる物質です。
■1型糖尿病と判定する検査:抗GAD抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素)があるかどうかの検査
陽性ならば、1型糖尿病と判定されます。抗GAD抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素)は膵臓のランゲルハンス島の障害や数を反映する検査です。
■1型糖尿病と判定する検査:ICA(膵島細胞抗体)があるかどうかの検査
陽性なら1型糖尿病と判定されます。ICA(膵島細胞抗体)は膵臓のランゲルハンス島の障害や数を反映する検査です。

1型糖尿病の治療

1型糖尿病の治療は、インスリン注射が唯一の治療方法です。インスリンは口から飲むと胃や腸の中で分解してしまいますから注射という方法でしか補充できません。インスリン注射は対症療法で糖尿病を根本的に治療するものではないため、生涯を通してインスリンを外部から補給し続けなければなりません。1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が破壊されるためのインスリン絶対欠乏ですから、インスリンを体外からの補給に頼らざるを得ないのです。1型糖尿病であっても、一時的にランゲルハンス島が機能を持ちなおしたり、ランゲルハンス島の破壊が比較的ゆっくりと進んでインスリン分泌機能が維持されることがありあます。このようなケースにおいてはインスリン補充療法なしでも血糖コントロールができる状態(インスリン非依存型の糖尿病)にある時期がありますが、最終的にはインスリン補充療法が必要なインスリン依存型に移行していきます。
1型糖尿病であっても軽度の高血糖の時点からインスリン注射療法を開始すると、正常値に近い血糖コントロールができると期待されます。ただ、糖コントロールが不調ですと糖尿病特有の合併症を引き起こすため、糖コントロールが重要になります。
インスリン補充療法には、インスリン注射を1日3~4回する強化インスリン療法が主流になっています。強化インスリン療法で血糖コントロールが難しい場合は、持続的皮下インスリン注入療法が行われます。インスリン製剤には作用時間が短いものから長いものまであります。インスリンの1度注射で24時間安定した効果がある持効型インスリンも登場してインスリン療法の選択肢が増えています。

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