糖尿病性腎症は、高血糖の状態が続くことで腎臓が障害されて腎臓機能が低下し、悪化すると腎不全になってしまう糖尿病の合併症です。腎臓の機能についての基礎知識を持って糖尿病性腎症を理解することは、腎臓が大切な臓器であることを知るだけでなく、糖尿病の予防治療=糖尿病性腎症などの合併症の予防治療がいかに重要かの理解に繋がります。
腎臓の主要な機能は血液のろ過や浄化の役割です。そのため腎臓の血管が障害されると腎臓の機能も損なわれます。腎臓では体液が一定以上に濃くなるのを防ぐために、尿量を調節したり再吸収したりしています。糸球体のろ過機能で体に必要な血液成分やタンパク質を体に残し、老廃物や余分な塩分・糖分・水分などは原尿(尿の元になる液)として尿細管に移動します。尿細管では原尿が再度ろ過(再吸収)されて濃縮されます。濃縮された原尿は膀胱に移り、膀胱から尿として排出されます。糖尿病性腎症が進行すると腎臓機能の回復は見込めず、可逆的に悪化し人工透析が必要になり、最悪尿毒症に陥り生命維持に関わる状態になります。持続的な糸球体内圧が上昇することによる糸球体硬化が、糖尿病性腎症の根本的な原因と考えられています。
腎臓の機能(腎臓の働き)はおよそ次のとおりです。
○体内のいらなくなったものを排出します。
○体内の水・ナトリウム・カリウムの量を整えます。
○血圧を整えます。(腎性高血圧の主な原因は、水分・塩分が体内に溜まることによります。)
○骨髄で赤血球が作られるのを助けます。
○血液を弱アルカリ性に保ち、血液の細胞の働きを良くします。
○血液中のカルシウムの吸収を助けます。
○いらなくなったホルモンを壊したり捨てたりします。
※腎臓の位置は、腎臓は腹腔の上部(横隔膜の下)にあって、腹部脊椎の左側と右側に1つづつあって、右腎は左腎よりやや低い位置にあります。腎臓の形はソラマメ状で拳よりやや小さく約150gで、通常は左腎が右腎よりも重く大きいです。

