糖尿病情報館

糖尿病の症状・原因・治療・合併症などの情報です。糖尿病の基礎知識は糖尿病の予防や改善への一歩です。

糖尿病性腎症の治療

糖尿病性腎症は、蛋白尿(微量アルブミン値、尿蛋白)と腎機能で病期を判断して、病期に応じた治療方針が決定されます。糖尿病性腎症は慢性腎臓病(CKD)です。心腎連関と呼ばれる「心臓と腎臓の関係」があり、慢性腎臓病があると心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、心不全、脳卒中などの心臓や血管など病気)になりやすく、心血管疾患があると腎機能が低下しやすくなります。この心腎連関により、糖尿病性腎症では、腎機能だけでなく心血管疾患にも注意しながら治療が行われます。

糖尿病性腎症は第1期~第5期までの5期に病期分類され、第3期に至る前の治療が糖尿病性腎症の進行を食い止め、腎臓機能を回復する治療効果の分岐点になります。
糖尿病腎症の主な治療法は、血糖・血圧・脂質のコントロールで、食事療法が基本です。食事療法において、第2期までは糖尿病食が基本で、第3期以降は蛋白制限が中心になります。高血圧を合併している場合は、病期に関わらず塩分制限があります。

糖尿病性腎症の病期別治療

 第1期(腎症前期)

期糖尿病性腎症とは診断されない時期です。糖尿病の治療による血糖コントロールが中心の治療です。食事は糖尿病食が基本です。蛋白制限はありませんが過剰摂取は避けます。食塩制限やカリウム制限はありません。(高血圧合併の場合は食塩制限とともに降圧治療をします。)

 第2期(早期腎症期)

糖尿病性腎症の進行を食い止められるかどうかの大切な時期です。血糖コントロールをしっかり行うことで微量アルブミン尿は治ります。
治療は糖尿病食を基本とした食事療法で厳格な血糖コントロールが必要です。蛋白制限がありますが、食塩制限とカリウム制限はありません。自覚症状はありませんが、血圧が上がる人が多くなってきます。高血圧を合併している場合は、塩分制限や降圧薬による降圧治療で血圧を下げます。

 第3期(顕性腎症期)

糖尿病の続発性ネフローゼ症候群(浮腫みなど)が現れはじめる時期です。腎症の進行を抑えて、心血管病の予防また治療を行います。
厳格な血糖コントロールと血圧コントロールが必要です。食事療法が腎症に重きを置いた食事療法にかわります。タンパク制限(低蛋白食)と食塩制限があり、カリウム制限はないか軽度です。浮腫(むくみ)の程度、心不全の有無によっては水分制限があり、必要に応じて利尿薬を服用します。

 第4期(腎不全期)

腎不全の状態に陥って尿毒症の自覚症状が出はじめ、透析導入や腎移植を検討する時期です。クレアチニンが透析導入を判断する基準になります。治療は、血糖コントロール・降圧治療・蛋白制限・浮腫(むくみ)の程度による水分制限が行われます。食事は厳格な低たんぱく食になります。血圧管理が腎予後を左右するようになるため減塩が重要で、高カリウム血症対策としてカリウム制限が必要になります。

 第5期(透析療法期)

人工透析をしている時期で、食事は透析療法患者の食事療法に準じます。人工透析によって電解質異常・高窒素血症・代謝性アシドーシスなどは改善されますし、浮腫(むくみ)・細胞外液過剰に伴う高血圧・尿毒症の症状などは徐々になくなります。だだし、人工透析は腎臓の内分泌機能の代わりにはならないため、腎性貧血や腎性骨異栄養症などは改善しません。腎性貧血ではエリスロポエチン静脈注射、腎性骨異栄養症に対してはビタミンDの補充など、人工透析とは別の治療が必要です。

※透析療法とは、血液中の尿毒物質や水を除去する治療です。機能低下をきたした腎臓の代わりに腎臓の血液ろ過の働きをするのが人工透析です。透析には、血液透析(HD)と腹膜透析(PD)の2種類があります。

 - 糖尿病性腎症

PC用

PC用

  関連記事