子どもの糖尿病の特徴
日本の子どもの糖尿病の特徴としては、8歳頃までは殆どが1型糖尿病ですが、10歳を過ぎた頃から徐々に2型糖尿病が増加し、思春期の中学・高校生頃になると2型糖尿病が1型糖尿病を上回るようになり、その後は2型糖尿病患者数が増加していきます。
子どもの糖尿病の1型も2型も糖尿病に変わりなく、治療を怠れば確実に進行して合併症を引き起こしてしまう病気です。特に2型糖尿病の場合は1型糖尿病のような危機感が乏しいため、治療を中断してしまうケースも少なくありません。小児期や思春期は食欲も旺盛で血糖コントロールが大変な時期ですが、親も本人も、治療を中断してはいけない時期であることを自覚する必要があります。
1型糖尿病を小児糖尿病とか若年性糖尿病と呼んだ時期があります。1型糖尿病の多くが子供の時期に発症するため、かつては小児糖尿病(若年性糖尿病)と呼んでいました。ですが、1型糖尿病は年齢に関係なく高齢者にも発症することがあります。また、子どもの2型糖尿病が増加傾向にあることなどから、小児糖尿病(若年性糖尿病)といういいかたは適切でなくなっているのが現状です。
子どもに対しても、成因に基づく新しい糖尿病分類による診断基準と治療が行われます。ただし、子どもの糖尿病を考える場合は、成人とは異なる側面(成長過程)を考慮する必要があります。そのため、小児糖尿病(若年者糖尿病)というカテゴリー(概念)の重要性は残ると考えられます。